メガネ好き好きクラブ

眼鏡(の女の子)が好きな眼鏡のやつが書き残しています

弁当屋

こんにちは、の-noです

以前から気になっていた弁当屋へ行った。
いかにもな店の佇まいで、長年のうまさが染みついている、気がする。
店に入ると、客は私一人だったが、あくせくとお店の方が唐揚げを揚げている。
「すみません、唐揚げ弁当に大盛できますか?」
「大丈夫ですよ、お待ちください」

1000円札をトレイに出そうとすると、そのままお店の方は奥の調理場へ。行き場所を失った1000円を折り畳み、窓際の長椅子に腰かけて出来上がるのを待つ。今日は日が出ているせいか、幾分か暖かく感じられる。店内には私含めて3人。揚げ物が揚がる音と、店員の会話、すぐ横の車が過ぎ去る音だけである。

ラジオもなく、ただ環境音が流れる中に一人の男性のお客さんがやってきた。
「こんちはー」
「はい、○○弁当ね、○○円」
どうやら予約注文してきた方で常連らしい。世間話はしなかったが、慣れた手つきで受け取り帰っていった。
長くやっていれば常連もいるだろうが、そんなにうまいのかと少し期待する。

外の車を何とはなしに見ていたが、
「お待ちどうさま」
の一言で店内へと視線が戻る。
カウンターに上げられた弁当は、想像より1.5倍にでかい弁当箱で出てきた。全然食べきれる量だが、やはり量が多いと嬉しい。
「600円ね」と言われて、1000円からお願いしますと1000円札を広げて差し出す。

お釣りを待つ間も視線は弁当に行き、ふたが少しこんもりとしていることに期待が膨らむ。
「はい、400円のお釣りね、またどーぞ」
有難うございますと一言言ってから、店を出る。
早く食いたいと、帰り道も少し足早になる。長く感じた道中も、ついてしまえばなんとはない。
手洗いもして弁当と向き合う。

いただきますと開けると、絵にかいたようなご飯大盛と唐揚げ、箸休めの柴漬けとひじきの煮物が乗せられていた。メインの唐揚げは一つがでかく、衣は薄い系で今のザクザク系とは異なる。それが3枚。普通にお買い得である。食べてみると、味付けはされておりスパイシーでうまい。衣で侮っていたぜ。肉は薄いが、これもこれでありかと自分を納得させる。唐揚げの下に申し訳程度についたキャベツもいい。あってもな良くても変わらない量だが、あることが見栄えをよくしてくれる。

 

もぐもぐと、もとい黙々と食べ進めていくと、その‘‘何か‘‘が見つかった。それはこの弁当にはふさわしくないとすら思うものであった。

ソースの小袋である。

世の中には唐揚げにもソースかける派の方もいるかもしれないが、このかた生きてきて唐揚げ弁当にソースが入っていたことは一度もなかった。そのため、私は混乱した。

(店員の入れ間違いか?カツ系統と間違えたのか?いや、ソースをかけて食べるのがここの唐揚げの本来の楽しみなのか?十分このままでもいけるが、本当にそうなのか?)

 

ソースを目の前に、弁当が冷めることを忘れて考え込んでしまう。このソースをどう扱うべきなのか……

 

たどり着いた、私の結論は「かけてみるか」だった。唐揚げの衣にソースがかかっていく光景は、新しい扉を開いたかのように感じ、不安と期待が入り混じる弁当になってしまった。

そしてその唐揚げを口にした。

 

 

普通にいけた。

まぁ普通にうまい、元がうまいのもあるし、ソース自体もそんなしょっぱいものでもないので、食べられるものになった。

でも、今後ついてくるなら書けなくてもいいかなって感じだった。

 

 

 

次回は、カツ弁当大盛を注文します。